ピントがぼける、かすむといった症状は、年齢とともに誰にでも現れてきます。この時「老眼」かな?と簡単に片付けないで下さい。老眼の症状とよく似た加齢性の眼疾患を疑ってみることも大切です。
網膜の中心「黄斑」の疾患。視界の中心に歪みや欠けが生じます。米国では65歳以上の「中途失明原因のNo.1」です。
「水晶体」の濁りによる疾患。かすんだりもやがかかったように見え、初期段階まで含めると、40代で30%の人が疑わしいといわれています。
水晶体や黄班の加齢性眼疾患の原因をつきつめると、細胞レベルの異変であることがわかっています。この異変に大きく関与しているのが活性酸素で、細胞に「酸化」というダメージを与えます。 わたしたちの体は無数の細胞によって構成されています。細胞の健康が、体の健康をもたらすといえるでしょう。
私たちが生きていくうえで必要不可欠な酸素。体内に取り込むと、その一部は「活性酸素」と呼ばれる物質に変化し、強力なパワーで病原体を殺傷します。しかしあまりにその力が強いため、増えすぎると細胞や組織を傷つけてしまうのです。これが「酸化」で、老化や加齢性眼疾患を引き起こす大きな原因のひとつと言われています。
体にはもともと、活性酸素を抑える力が備わっています。「抗酸化酵素」といいます。ところが40歳を過ぎた頃から「抗酸化酸素」をつくる力が弱まり、結果として、活性酸素が増えすぎるようになります。中高年になると、がん・糖尿病などの生活習慣病、加齢黄斑変性・白内障などの眼疾患が増えるのも、このためと考えられています。
残念ながら、体の中の「抗酸化酸素」は増やすことができません。しかし、これと同じような働きをする抗酸化栄養素を食事などから補うことで、活性酸素の過剰発生を抑えることができます。
体内に備わっている「抗酸化酸素」と同じように、活性酸素を抑える働きがあります。ビタミンE、C、β−カロテンは協力しながら、細胞の参加のダメージから守っています。
細胞の活性化や維持に必要な栄養素で、体内の抗酸化酸素の構成要素としても重要です。
活性酸素を抑える働きもあります。食物ではホウレン草などに含まれています。
ものを見るのに重要な網膜の中心「黄斑」に含まれており、太陽やパソコンから出る有害な光(青色光※)から黄斑を守るフィルターの役目をしていると言われています。 ※青色光は、眼に有害なことで知られている紫外線よりさらに目の置くまで届くため、長い間に「黄斑」にダメージを与えます。
活性酸素は、体内でつねに発生しつづけます。ですから活性酸素の過剰発生を抑えることが、加齢性眼疾患の予防にもつながります。ビタミン、ミネラル、ルテインなどの栄養素を充分に補給しましょう。
自覚症状のない場合もあります。 定期的に眼科検診を受けましょう。